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パスパ文字('Phags-pa script)を知る
(7)パスパ文字という名称
中国の歴史書に『元史』というものがあり、そこではパスパ文字を「蒙古新字」と
呼んでおり、「八思巴字」とはしていません。また、他の記述によると「蒙古字」とも
「国字」とも言ったようです。パスパの作った文字という意味で「パスパ文字」と呼ばれる
ようになったのは、おそらくは近代以降でしょう。
なお、パスパはチベット文語(書き言葉)では'Phags-pa(聖なる)であり、これを現在の
チベットのラサあたりでは「パクパ」のように発音します。それで日本では「パスパ」ではなく
「パクパ」と呼ぶ場合もあります。パスパ文字の名称の歴史的な変遷、'Phags-paの漢字で
どのように音訳するか、それに「パスパ」とするか、それとも「パクパ」とするかという
日本での名称の経緯など幾つか興味深い問題があります。ここではパスパ文字と呼ぶことに
しましょう。
さらに詳しくは以下参考(PDFファイルです):
吉池孝一「パスパとパクパ」(『KOTONOHA』30号、2005年5月)
(1)
パスパ文字の実例(貨幣銘文)
(2)
いつ誰が作ったのか?
(3)
パスパ文字の背景
(4)
基本資料『元史』の釈老伝
(5)
なぜパスパ文字を作ったのか?
(6)
日本のパスパ文字資料
(7)パスパ文字という名称
(8)
パスパ文字以前の文字
(9)
パスパ文字で何語を書いたか?
(10)
パスパ文字モンゴル語とパスパ文字漢語の碑文
(11)
パスパ文字の用途
(12)
パスパ文字の使用地域
(13)
パスパ文字の文字表
(14)
綴り方の特徴
(15)
書写の方向
(16)
パスパ文字を読む
(17)
基本参考文献
(18)
チベットのパスパ文字
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