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パスパ文字('Phags-pa script)を知る
(3)パスパ文字の背景
高校の世界史の教科書(三省堂の『世界史〔B〕』)によると、モンゴル高原では
1206年にモンゴル系・トルコ系の諸族を統一したモンゴル帝国が成立し、その後
アジアからヨーロッパにまたがる大帝国に発展しました。その過程で、モンゴル帝国は
幾つかのハン国にわかれました。支配地域を単独の組織によって統治するのはむずかし
かったようです。ロシアのキプチャク=ハン国(1243-1502)、中央アジアのチャガ
タイ=ハン国(1227-14C後半)、西北モンゴルのオゴタイ=ハン国(1224?-1310)、イラン
方面のイル=ハン国(1258-1411)がそれです。
その後、チンギス=ハンの孫にあたるフビライ(在位1260-1294)が第五代の大ハンに
即位するのですが、そのとき即位に反対する反乱がおこりました。抗争ののちに各ハン国は
独立し、帝国は事実上分裂したようです。フビライ=ハンは即位後、首都をカラコルムから
大都(現在の北京)に移し、国号を元(1271-1368)とし、1279年には中国の南にあった
南宋を滅ぼし、全中国を支配することとなりました。
(1)
パスパ文字の実例(貨幣銘文)
(2)
いつ誰が作ったのか?
(3)パスパ文字の背景
(4)
基本資料『元史』の釈老伝
(5)
なぜパスパ文字を作ったのか?
(6)
日本のパスパ文字資料
(7)
パスパ文字という名称
(8)
パスパ文字以前の文字
(9)
パスパ文字で何語を書いたか?
(10)
パスパ文字モンゴル語とパスパ文字漢語の碑文
(11)
パスパ文字の用途
(12)
パスパ文字の使用地域
(13)
パスパ文字の文字表
(14)
綴り方の特徴
(15)
書写の方向
(16)
パスパ文字を読む
(17)
基本参考文献
(18)
チベットのパスパ文字
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