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資料名ガンダーラ方形銅貨
資料記号y2k01
文字/言語なし 卍記号あり
材質/形態銅/方形
重さ12.0g
大きさ縦21.57mm、横19.42mm、厚さ4.65mm
管理/所蔵古代文字資料館/個人蔵
 この貨幣は紀元前2世紀の発行者不明の銅貨で、インド西北のペシャワール(旧ガンダーラの地)あたりで打刻されたものであるらしい。 表面は象、裏面はライオン。ライオンの背の上方に卍印がある。 インドの貨幣が、ギリシアの貨幣と接触し、ギリシア貨幣の影響を受けたことをみてとることができる。 すなわち、デザインの内容はインド的であるが表現は写実的なものとなっている。 また製造法にあっては、ギリシアの両面金型打刻という方法を採用する。 もっとも、表面は全面を覆う金型打刻であるとしても、裏は地金の幅に比して金型面が小さく、ギリシアの両面金型打刻による貨幣とはいささか異なる。 裏面はマークを打刻した打刻印銭の様相を呈しており、この点は伝統的なインド貨幣を彷彿とさせる。

参考文献:
ジョナサン・ウイリアムズ編/湯浅赳男訳(1998)『図説 お金の歴史全書』,東洋書林。
P.L.グプタ著/山崎元一他訳(2001)『インド貨幣史 ―古代から現代まで』,刀水書房。
(文責:吉池孝一2014.5.20)